公益財団法人生命文化センターの調査によると、少子高齢化の影響で25年後の2045年には15歳から64歳の生産年齢人口が52.5%となり、1人の高齢者を1.4人で支える時代がくると予想されています。
同じく15歳未満の人口に対する割合は2015年の12.5%から2045年には10.7%に減少する一方で、65歳以上の高齢者の割合は2015年の26.6%から2045年には36.8%と約4人に1が高齢者という時代が間もなく到来しようとしています。
人口のボリュームゾーンである第二次ベビーブーム世代も40代後半に差し掛かり、企業では就職氷河期と言われる現在の30代後半から40代後半の世代が不足してきていると言われています。
政府もこの問題に対し、2020年に就職氷河期世代の対策を講じました。
今回はそのような背景にある30代の転職事情についてさまざまな角度から検証し、説明していきますので、転職を検討している人は是非参考にしてください。
Contents
30代の転職を成功させるには?
30代での転職は、一般的に20代よりも難易度が上がると言われています。では企業側が30代転職者のどのような箇所に着目しているかを分析してみましょう。
1:即戦力として、会社に貢献できるのか?
2:会社の社風に溶け込めるのか?
上記2点を採用担当は重視しています。まず即戦力として会社に貢献できるのかについては、同じ能力を持つ求職者に対しては、より伸びしろのある30代よりも20代を採用することを意識しましょう。
会社の社風に溶け込めるかについても同様で、同様の能力である場合、企業は30代よりも20代を優先して採用することは間違いありません。
ここからは、30代の転職を成功させるポイントについて項目ごとに解説していくので、この世代で転職を検討している方はご確認ください。
転職したい理由を明確にする
転職する際に重要な転職理由ですが、明確になぜ転職しなければならないかを明確にしておくことが大切です。
やみくもに行うと内定を獲得できないばかりか、なぜ転職したいのかという根本的な理由を見失いがちになるからです。
また運よく内定を獲得できたとしても、似たような理由で転職を検討するようになり、キャリアの形成につながらない可能性も高くなります。
そのため、まずは具体的に転職を検討する理由を全て洗い出し、どのように改善されれば継続して働いていけるかを考えてみる必要があります。
自己分析をしっかりと行うこと
30代の転職は、20代とは異なりポテンシャル重視というよりは即戦力重視というように、企業の求める人物像も変化しています。
そのため面接において、どのような経験をしてどんなことができるかをアピールする必要があります。
新しい会社でどのようなキャリアを描き、これまでの経験を活かしてどんなことに挑戦していきたいかを明確にする必要があり、これがないと面接で不採用となる可能性が高いといえます。
つまり、過去・現在・未来でどのような経験をして現在の自身があり、今後どのようなプランを描いているかを言語化する作業を行い、面接でアピールできるようにすることが大切です。
転職先の社風を確認する
30代で転職する場合、これまでのキャリアが長いと転職先の社風に溶け込むことが難しい可能性もあります。
そのため、口コミサイトなどを活用して、面接する企業の社風などを事前に確認しておくと良いでしょう。
たとえばこれまで在籍した会社が、長い歴史のある伝統的な企業で面接を受ける企業がベンチャー系の新興企業の場合では全く社風が異なり、上手く馴染めない可能性が高いです。
特に「OpenWork」などの口コミサイトは、実際に勤務していた人が口コミを書いているため、信憑性は高いといえます。
実際には入社してみないとわからないことも多いですが、事前に分かる内容は積極的に取り入れておくようにすることをおすすめします。
参考URL:https://career-theory.net/30s-job-change-20029
30代の男女別転職の傾向
下記は、総務省統計局が発表した「労働力調査(詳細集計)」の結果です。此方を分析すると、2008年に発生した「リーマンショック」の影響で、全体の転職率は横ばいで推移しているのが分かります。
更に分析すると、全体的に男性よりも女性の転職率が高いことが分かります。
これは男性が正社員中心で仕事を探して転職しているのに対し、女性は派遣社員や契約社員などの非正規雇用が多く、契約満了に伴い、転職していることが挙げられます。
ここからは、30代の転職状況を男女別に更に細かく解説していきますので、30代での転職を検討している人は確認してください。
西暦 | 全体の転職率 | 男性の転職率 | 女性の転職率 |
2009年 | 5.1% | 4.2% | 6.3% |
2010年 | 4.5% | 3.7% | 5.6% |
2011年 | 4.5% | 3.9% | 5.5% |
2012年 | 4.6% | 3.9% | 5.4% |
2013年 | 4.5% | 4.0% | 5.3% |
2014年 | 4.6% | 3.8% | 5.6% |
2015年 | 4.7% | 3.9% | 5.7% |
2016年 | 4.8% | 4.0% | 5.8% |
2017年 | 4.8% | 4.0% | 5.7% |
30代男性の転職状況
先述したように、30代男性の転職が20代の時よりも難しくなることは間違いありません。
ではどのようなケースで30代男性の転職が難しくなるかを考えてみましょう。
一般的には
1:転職を何度も繰り返している
2:明確なキャリアプランが立てられていない
これらの場合、転職を成功させるのが難しくなります。
まず何度も転職を繰り返していると、面接官が「この会社でも長続きしないのではないか」などあらぬ疑いをかけられてしまい、不採用となる可能性が高いといえます。
また明確なキャリアプランがない場合、面接官に「自身のキャリアプランが立てられない計画性のない人」という判断をされてしまい、こちらも不採用となる可能性が高くなります。
次に、どのようにすれば30代男性の転職を成功に近づけることができるかを考えていきます。
具体的には
1:これまでのスキルや経験を整理する
2:業界分析や自己分析を念入りに行う
3:将来のキャリアプランを考える
これらが重要になります。まずスキルや経験を整理することで、自身の武器や今後の活かせる業界や職種を絞り込むことができます。
その中で業界分析や自己分析を行うことで、自身の特性を把握し自己紹介などに活かしましょう。
最後にキャリアプランを策定することで、数年後のなりたい自分を想像し、実現するためには何が必要かを考えて、資格取得や転職先の選別を行うと良いでしょう。
参考URL:https://tenshoku-plus.com/30dai-shippai/
30代女性の転職状況
30代女性の場合、結婚や出産などがあり生涯同じ企業で働き続けることは難しいことが多いのが現実です。
ここからは30代女性の転職状況がどのようになっているかを説明していきます。
はじめに、20代の頃と比較し面接官がどこに着目しているかをみてみましょう。
1:20代の頃 会社に馴染む素直な人柄や教えれば伸びる高いポテンシャルを持っているか?
2:30代の頃 企業が求めるスキルを保有し、指導や教育をしなくても利益を上げてくれるか?
このように、20代の頃は今後の伸びしろやポテンシャルが重視されるのに対し、30代では自社の求めるスキルに合致するかという適応力が問われていることが分かります。
つまり、20代の頃にビジネスパーソンとしてキャリアを積み重ね、スキルアップを図ってきた人は30代でも転職可能といえます。
その一方で、結婚や出産による自己都合のみで退職し、20代の頃にキャリアやスキルをアップさせてこなかった人の転職は厳しいものとなります。
30代女性が転職する際、事前に考えておくべきことは以下の通りです。
内容 | 理由 | |
退職・転職を決めた理由 | 理由を分析することで、次の職場に何を求めるか明確になる | 理由を洗い出すことで、本当に転職が必要かが判明する |
どんな実績やスキルがあるか? | 職歴を詳細にまとめて自己評価をつけて分析し、強みと弱みを把握する | 実績やスキルをアピールすることで転職の成否が決まる |
譲れない条件は何か? | 譲れない条件を上位3つまでに絞る | 転職が決まらない・妥協して転職した結果後悔することを防ぐ |
どの雇用形態で転職するか? | 現在のビジネスパーソンとしての市場価値を正確に把握する | これまでの分析結果をもとにして、これからの転職先を選定する |
これらの項目を整理し、自身に合った業種や職種を絞りこむことをおすすめします。
次に30代女性が転職する際、事前に調べておくことを以下にまとめました。
内容 | 理由 | |
実績やスキルに合った求人は何かを考える | ネットで自身の譲れない条件と転職をセットにして検索する | 検索結果で、求人が表示されれば想定通り、出てこない時は身の丈に合っていない転職先と判明する |
30代で転職する現実を考える | 20代よりも、30代の方が企業が求める要件も厳しくなる | 企業は20代の時よりも即戦力を求めるため、未経験職種への転職はかなり難しい |
応募を検討する企業の社風を把握する | 転職会議・カイシャの評判・OpenWorkを活用して社風や特徴を把握する | 求人情報には企業の良い面しか書かれていない為、実態の把握が難しい |
1人で悩んだ時に頼れる媒体を探す | 自分1人の転職活動に行き詰った時、第三者の意見が効果的 | パートナーや家族、かつての上司や同僚・転職エージェントが効果的 |
転職活動中にかかる生活費を貯金で賄えそうか? | 転職活動中にかかる生活費を予定として組み込んでおく | 転職活動は3か月から半年に及ぶ長い選考となる可能性が高いため |
このように、事前に調べておくべき項目はたくさんあります。
転職活動を始める前に実際に取り組まれることをおすすめします。
最後に、正社員と派遣・契約社員などの非正規社員について説明します。
結婚や出産など、将来を見越して正社員ではなく派遣や契約社員などの非正規雇用を選択する方がいますが、一度正社員から非正規雇用になると、その後再び正社員として働くのは以前よりも厳しくなります。
30代の女性が転職する際は、正社員か非正規社員かをよく検討してから転職活動を行う必要があります。以下に非正規社員として働くメリット・デメリットを表示します。
メリット | デメリット | |
30代女性が非正規社員で働く | ・雇用期間の制限があるが、採用されやすく、転職に成功しやすい
・女性に人気がある事務や総務の仕事が見つけやすい ・30代からでも未経験の業種や職種に採用されやすい ・基本的に残業を強要されず、定時で帰ることができる ・期間限定のため、人間関係がこじれても割り切ることができる |
・昇給などがないため、やりがいに欠ける部分がある
・どんなに業務の改善に取り組んでも直接的な評価を受けられない ・正社員を対象にした福利厚生の産休・育休を利用しずらい ・交通費は時給に含まれており、ボーナスの支給もない ・正社員登用されないと、同じ職場にいられるのは派遣で3年、契約で5年までとなっている |
このようになっています。
メリットとしては正社員よりも採用のハードルが低いため、採用されやすい反面、デメリットとして給料や待遇面で正社員との差が大きく、同じ職場に最大で派遣3年・契約社員は5年までしかいられないため、業務の改善などの提案ができないことがあります。
一方、企業側から見た正社員と派遣・契約社員はどのようになっているかを確認してみましょう。
正社員 | 派遣・契約社員 | |
企業から見た正社員と派遣・契約社員の違い | ・何年にも渡り会社に貢献してくれる人材
・在籍年数が上がる程、習熟度が上がっていく ・習熟度を上げて貢献してもらうため、大切に守るべき社員 |
・最長でも派遣で3年、契約で5年までの在籍となる人材
・育成しても、在籍年数が決まっているため、習熟度は上がらない ・期間限定の雇用なので、此方の必要な仕事のみやってほしい |
上記のように、正社員と比較して非正規社員は必要とされているものの、企業にとって都合の良い雇用と言い換えることができます。
中には、正社員と全く業務内容は変わらないのに非正規雇用で代用する企業もあるため注意が必要です。
このような大きな差があるため、30代女性は最初に正社員か非正規社員で働くかのいずれかに絞り、転職活動を行うことが大切です。
参考URL:https://www.from-40.jp/columns/10357
30代世代別転職の傾向
ここまで30代の男女別転職状況を説明してきましたが、男性と女性では大きく異なることが分かりました。
では30代の世代別転職状況はどのようになっているか、気になるところでしょう。
ここからは、30代の転職状況を30代前半と30代後半に分けて説明していきますので、30代で転職を検討している方や実際に転職活動を開始している方は参考にしてください。
30代前半の転職状況
30代前半というと、世間的には社会人経験もつき仕事にも慣れてこれからキャリアアップを目指していくという人が多い年代です。
ここでは更にキャリアアップしたいという人を中心に転職を希望する方が多くいます。
「転職するなら若い20代の方が有利」と考えるのが一般的ですが、30代前半での転職も相応のスキルがあれば不利ということはありません。
企業は30代前半に求職者に対しまだまだ伸びしろを感じており、年齢で引け目を感じる必要はありません。
30代前半で転職する際のポイントは
1:仕事内容
2:自身の成長が見込めるか
この2点です。いずれも今後のキャリアに関わる重要な事なので時間をかけて分析することをおすすめします。
企業が30代前半に求めるのは、「ポテンシャル」ではなく「確固たるスキル」です。
自身がこれまでに培ったキャリアで何を活かし、どの分野で成長を目指していくかを考え、企業が求める即戦力と結び付けて考えることが大切です。
30代後半の転職状況
企業が30代後半の男性に求めることは、30代前半のポイントであった「相応のスキル」よりも上の「相応以上のスキル」です。具体的には以下の3点です。
企業が30代後半の男性に求めること | ||
これまでに培ってきたスキル | これまで多くの経験をしてきているだろう | その経験を会社で活かしてほしい |
マネジメント経験 | 管理職としてプロジェクトなどを統括した経験があるだろう | 3年以上のマネジメント経験が30代後半男性には必須 |
幅広い人脈 | 企業で働くうえで必要かつ有用な人脈が求められる | 人脈の広さや太さなどがそのままその人の実力と判断される |
このように30代前半と比較して、30代後半に対して企業はより具体的なキャリアや経験を要望していることがわかります。
次に30代後半の転職で、求職者側と企業側の悩みを記載し注意すべき点を以下にまとめました。
30代後半の求職者 | 企業側 | ||
収入が下がるリスク | 転職先企業の業界・転職先の企業・転職先企業でのポジションによっては年収が下がるリスクがある | 受け入れに悩む | 20代後半であれば、企業からの要望を伝えれば良いが、30代後半ではそれが難しい |
最後の転職チャンス | 転職を繰り返してきた人も、今回が初めての人も、転職のラストチャンスとなる可能性が高い | 既存社員とのバランスが難しい | 既存社員との給与のバランスを取るのが厳しく、若手との兼ね合いもあるため、その調整が難しい |
ライフプランを考えた転職 | 家族のことを考えて転職する時は、休日・勤務時間・福利厚生などにも気を配る必要がある | 伸びしろが少ない | 長く働いてほしいと願っているが、若手よりも勤務期間が短いため、伸びしろが少ないと考えている |
このように、30代後半の転職は求職者・企業側双方で異なる悩みがあるため、転職先を決めるのに時間がかかる可能性があります。
企業側の悩みも加味したうえで、慎重に転職活動を行うことをおすすめします。
参考URL:https://tenshoku-center.com/30s/#toc6
40代の転職に悩んでいる方はこちら |
30代の未経験転職について
30代での未経験転職は、20代の時とはまた違ったスキルを求められます。
たとえば20代ではある程度意欲とポテンシャルが重視されますが、30代ではこれまでに磨いてきたキャリアや持っているスキルをより重視する傾向があります。
30代での主な転職理由としては以下のようになっています。
順位 | 転職理由 | 割合 |
1位 | 他にやりたい仕事がある | 13.7% |
2位 | 会社の将来性が不安 | 13.5% |
3位 | 給与に不満がある | 11.3% |
4位 | 残業街多い/休日が少ない | 7.1% |
5位 | 専門知識・技術力を習得したい | 5.4% |
6位 | U・Iターンがしたい | 4.1% |
7位 | 幅広い知識・経験を積みたい | 4.0% |
8位 | 会社の評価方法に不満がある | 3.7% |
9位 | 業界の先行きが不安 | 3.3% |
10位 | 市場価値を上げたい | 3.3% |
引用元: 転職理由ランキング
このように30代の転職理由としては、キャリアアップか現状の不満を解消したいという大きく分けて2つの理由があります。
ここからは30代未経験転職の現状と成功させるポイント、転職しやすい業界とそうでない業界について説明していきます。
30代で未経験転職を検討している人は参考にしてください。
30代未経験転職について
30代で未経験転職を希望する人の特徴として、他にやりたい仕事があったり、市場価値を上げるために新たな専門知識・技術力を磨くなどの理由が一般的です。
他にも女性が出産後の社会復帰を目指し、子育てしやすいワークライフバランスの取れた会社への転職を目指すケースもあります。
しかし、20代と比較して30代での未経験転職は難しいとされていることが多いと言われています。そのため以下に注意点を表にまとめました。
注意すべき点 | 内容 | 理由 |
即戦力が求められる | 即戦力となれるだけの人材であることが前提の求人が多い | 今までの経験をもとに、会社の利益にどう貢献するかが求められる |
管理職としての能力が問われる | 30代後半になるほど、会社に貢献すると期待される人材が求められる | 「主体性をもって取り組めるか?」「職場にすぐ馴染めるか?」「同僚を率いるのに適した人材か」がシビアに求められる |
職種の変更がない方が採用されやすい | 前職からの職種の変更がない方が企業から好まれやすい | 同業種・異職種と比較し、業種は未経験でも職種が同じ方が採用されやすい |
資格の有無について | 即戦力を求められるため、資格を持っていても決して有利とはいえない | 有資格よりも実務経験を求められるため |
新しい業務内容の理解に苦心する | 年齢を増すごとに吸収力は衰えると言われているため、人事が懸念する | 未経験者は、同業同職種の転職よりも覚えることが多いため、転職後の負担が大きくなる |
収入ダウンが見込まれる | 専門知識が問われる職種ほど実務経験が問われるため、非正規雇用も有り得る | 前職で培った専門知識を活用することができないため、即戦力として活躍できない |
転職活動の長期化 | 未経験職への転職は1年以上かかる可能性があることも視野に入れる | 企業側も採用に慎重になるため |
このように、30代に限らず年齢が上がるほど企業は即戦力やマネジメント能力を求めるため、未経験転職のハードルは上がります。
また、企業側も採用するのに慎重さが求められるため転職活動の長期化や、非正規雇用も有り得ることを念頭に置いてください。
30代未経験転職で転職しやすい業界
先述しましたが、30代未経験転職について非常に厳しい現実があるのをご理解いただけたことでしょう。
それでは、どのような業界なら30代未経験で転職しやすいかを次に考えていきます。
「未経験者歓迎」の割合が多い職種を以下にまとめましたのでご覧ください。
順位 | 職種内容 | 割合 |
1位 | 美容・ブライダル・ホテル・交通 | 94.7% |
2位 | 販売・フード・アミューズメント | 93.6% |
3位 | 技能工・設備・配送・農林水産他 | 90.3% |
4位 | 保育・教育・通訳 | 90.1% |
5位 | 医療・福祉 | 84.9% |
6位 | 管理・事務 | 83.3% |
7位 | 公共サービス | 83.1% |
8位 | 企画・経営 | 81.4% |
9位 | 医薬・食品・科学・素材 | 80.1% |
10位 | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 79.8% |
11位 | 営業 | 78.4% |
12位 | クリエイティブ | 73.1% |
13位 | 電気・電子・機械・半導体 | 70.0% |
14位 | 建築・土木 | 69.2% |
15位 | WEB・インターネット・ゲーム | 57.1% |
16位 | ITエンジニア | 48.6% |
引用元: マイナビ転職|未経験から転職しやすい職種・業種は? 企業は未経験者に何を期待してるん?
全般的に美容やホテル、アミューズメントなどのサービス関連や、不動産や建築、ITエンジニアなどの専門職が未経験者を歓迎していることがわかります。
この中でも比較的狙い目の業種・職種を以下に紹介していきます。
1:ブライダル・ホテル業界
東京オリンピックを控えており、サービス拡充を目指している業界や企業が多い。
2:販売・アミューズメント
接客業。専門的な知識というより、コミュニケーションの高さが求められる。
3:配達・ドライバ―
工場のライン作業者ではなく、宅配便などの配送や宅配ドライバ―。
4:介護・福祉業界
待遇が悪いイメージがあるが、少子高齢化に伴い今後確実に市場拡大が見込まれるため待遇が改善されていくことが見込まれる。
先述した一覧表や、紹介した4つの業種・職種を参考に30代で未経験転職を検討している方は参考にしてください。
30代未経験転職で転職しにくい業界
ここまで、30代未経験で転職しやすい業界を紹介してきましたが、その一方で30代未経験では転職しにくい業界も存在します。
ここからは、30代未経験では転職しにくいと言われている業界をいくつか紹介していきますので、参考にしてください。
1:IT・WEB業界
2020年よりIT教育が義務教育化され、2030年には最大で79万人のIT技術者が不足すると言われるなど人材不足が深刻化しているのがIT・WEB業界です。
今後は少子高齢化が確実視される中で、AIが加速度的に進化することが予想されるなど、今後も需要が尽きることはしばらくないでしょう。
その中でこれらの業界に未経験で転職したいと考える求職者もいますが、一方で厳しい現実も存在します。
企業は新卒者であれば1から育てますが、30代で全くの未経験者を育成しようと考えているケースはほとんどないのが現実です。
どうしてもこの業界に転職したい人は、これまでの営業スキルを活かしたセールスエンジニアを目指すなど培ってきた経験を活かした転職をおすすめします。
またプログラマーやシステムエンジニアを目指す場合は、スクールに通うなどしてプログラミングの学習をすることを推奨します。
2:経営企画
経理事務などの主に事務作業に関する事ですが、全くの未経験者から転職することは不可能に近いといえます。
毎月の経費精算はもちろん、決算期の監査法人対応がある場合は、経験者が求められます。
歓迎条件も「日商簿記2級以上」「四半期決算経験」などなんらかの実務経験が求められることがほとんどです。
これらの業界に未経験で進みたい場合は、職業に関する講座や資格を勉強するなど何らかの実用的な知識で補う必要がありますので、検討してください。
参考URL:https://tenshokuagent-pro.com/columns/68/
30代の転職で成功する人・失敗する人の特徴
ここまで、30代未経験での転職について説明してきました。
同じ未経験でも転職しやすい業界と転職しにくい業界があることをご理解いただけたことでしょう。
ここからは、30代の転職で成功する人と失敗する人の特徴について解説していきます。
成功する人の特徴に当てはまる人は継続し、内定の獲得を目指していただければ幸いです。
一方で失敗する人の特徴に該当する人は、どこが失敗するのかを分析し改善されることをおすすめします。
そうすることで、一歩でも成功者に近づくことができる可能性が高まります。
30代の転職で成功する人の特徴
30代の転職で成功する人の特徴については、いろいろありますが大きく分けて4つのポイントがあります。
以下の表にまとめましたのでご確認ください。
成功のコツ | 内容 | 理由 |
転職で必ず実現したいことを明確にする | 会社の特徴を掴み、企業の強みとと自身の転職理由をミックスさせる | 現状の不満だけを伝えても、企業側が自身を採用する理由にはならない |
客観的に自身を評価する | 自身の経歴や転職理由を、企業側に立って考える | 企業側がどのような人を採用したいかが明確になる |
強み・弱みを自己分析し、客観的にに伝えられるようにする | 具体的に思いつく項目を並べあげげて、書類や面接で伝えられるように自身の言葉で編集する | 面接や履歴書・職務経歴書だけで自身を全て伝えるのは不可能なため |
転職エージェントに相談する | 「情報の提供」「不安や疑問点の解決」「面接の練習」などに役立つ | 転職のプロなので、自身の境遇や目的、夢や希望に沿った転職先を紹介してくれる |
ここで重要なのは、客観的・具体的に自己分析を行い、履歴書や職務経歴書に記載することです。
こうすることで、書類選考への通過率はアップする可能性は高まります。
更にその自己分析を細分化し、具体的事例を織り交ぜて面接官に説明できるようにすれば、面接の通過や内定の獲得に大きく近づくことができるでしょう。
30代の転職で失敗する人の特徴
先述しましたが、30代の転職で成功する鍵は客観的な自己分析と、具体的事例を交えた種類の作成や面接での伝え方にあります。
一方で30代転職に失敗してしまう人もいますので、その特徴を14項目に分けて表にしましたのでご覧ください。
失敗する人の特徴 | 内容 | 理由 |
市場価値が自己評価より低い時 | 人は無意識のうちに、他者評価の2割増しで評価する傾向がある | 市場価値よりも低い人材を企業側は採用しない |
転職の目的・動機が曖昧な人 | 労務環境や、人間関係などネガティブな理由で転職を考えている | 企業理念や文化・職場に馴染めるかを企業側は重視するため |
キャリアや過去の経歴に一貫性のない人 | 行き当たりばったりに職を転々とする人と企業側は判断する | 企業側は代替可能な人ではなく、利益に貢献する人を採用する為 |
即戦力にならない人 | 30代では、社会人経験豊富でキャリアが積み上がっている人を企業側は前提にしている | 即戦力として活躍できなければ、企業側が興味を持つことはない |
企業への貢献意欲がない人 | 自分本位や利己的な考えの人は、書類選考や面接で企業側に見抜かれる | 企業側は今後を担う人材としてどのような貢献ができるかに着目している |
努力できない人や努力することを伝えない人 | 企業側も、努力して結果を出そうとしている人を評価する | 新しい職場の部下・同僚、上司や顧客などから信頼されない |
受け答えが浅い人 | 「風通しの良い職場で働きたい」「社会に貢献できる仕事をしたい」などの曖昧な発言をする | 企業側は「考えて発言しているか?」「採用して大丈夫か?」の他「事前準備がされていない人」「専門性が低い人」と判断する |
不満ばかり言う人 | 不満に対して、どのようなアクションや解決策を取ったかが重視される | 採用担当者は「進歩がなく、転職しても不満ばかり言う人」と判断する |
面接対策をしない人 | 想定外の質問に慌てて、本音が出てしまうなどの対策不足 | 面接では、社会常識やマナー、受け答えをじっくり観察される |
年収にこだわる人 | 面接の場で、いきなり給与や年収の話をするのは良い印象を持たれない | 採用担当者は「まだ結果も出ていないのに、給与や年収の話をするのはどうなのか?」と判断する |
転職回数が多く、キャリアの一貫性を語れない人 | 30代になると仕事の価値観を強く求める傾向がある | 企業側は「転職してきても、またすぐに他の会社へ転職してしまうのではないか?」と判断する |
転職先の調査が不十分な人 | 転職活動は「自身を転職先に売り込む」のでリサーチ不足だと相手のニーズに応えられない | いくら自身が良い商品だとアピールしても、ポイントを間違えると転職先に響かない |
相談しない・できない人 | 自身のみで判断や自己分析しても、客観的な評価を下すのは難しい | 企業体質や、社風・職場の雰囲気などは、知っている人の判断を仰いだ方が賢明 |
行動しない・できない人 | 自ら行動しないことには、成功を手繰り寄せることができない | 内定を勝ち取る為には、自己分析・企業研究を行い、履歴書・職務経歴書をブラッシュアップする必要がある |
これらの項目に、当てはまるものがあれば改善し、再度自己分析を行っていくことをおすすめします。
そうすることで、自身の成長につながり企業にとっても魅力的な人材と評価される機会も増えるでしょう。
その繰り返しが内定の獲得につながりますので、日々の行動と反省を大事にしてください。
参考URL:https://www.it-career-navi.com/entry/30s-tensyoku-sippai
30代転職時に有利な資格
30代で資格を取得する際、どれを取得すれば良いかは悩ましい問題です。
働き盛りで今後のキャリアアップも見込める30代での資格取得について、ここからはおすすめを3つご紹介します。
1:宅地建物取引士(宅建)
2:社会保険労務士(社労士)
3:保育士
この3つの資格について、項目ごとに説明していきますので30代で資格取得を検討している人は参考にしてください。
宅地建物取引士(宅建)
30代転職者におすすめの資格ひとつ目は「宅地建物取引士(宅建)」です。
その理由として「業務独占資格」で「必要資格(不動産業界)」だからです。特に不動産や金融業界への転職を希望する人に推奨します。
不動産業界では、物件を借りる際に必要な「重要事項」を説明できるのは宅建の有資格者のみです。
更に必要資格として、不動産屋ごとに各1名を必ず置かなければならないと定められています。
以下に詳細な内容を記載しますので、資格取得を検討する人はご参照ください。
項目 | 内容 |
国家資格または民間資格 | 国家資格 |
難易度 | 合格率約15% |
取得方法 | 毎年1回、マークシートによる試験が行われる |
取得までにかかる期間 | 平均で約半年から1年の学習期間が必要 |
社会保険労務士(社労士)
労働関連の法令や、社会保障法令に基づく書類の作成代行を行い、労務管理や社会保険に関する相談や指導を行うための資格です。
その特徴として、主に労働問題を取り扱う資格で独立開業することも可能です。
訴訟を起こすことは不可能ですが、あっせんや仲介時に依頼人の代理人として参画することが可能であり、企業でもワークライフバランスや働き方改革のお目付け役として雇用されることもある有望な資格です。
しかしその分、難易度は高くなっており以下にて詳細を記載します。
項目 | 内容 |
国家資格または民間資格 | 国家資格 |
難易度 | 合格率6%~8%とかなりの難関資格 |
取得資格 | 高卒不可 短大か高専以上を卒業していることが条件 |
取得までにかかる時間 | 少なくても1,000時間以上 働きながらだと1年以上 |
社労士の平均年収 | 平均500万~600万 全体のおよそ4割を女性が占める |
保育士
激務で薄給といわれる厳しい業界ですが、常に人手不足の状態が続いているため自治体などで独自の手当を支給することころも増えてきており、待遇は改善されつつあります。
0歳児から2歳児までの「乳児」と3歳から小学校入学までの「幼児」で仕事内容に若干の差があります。
人手不足のため、30代でも資格を取得していれば歓迎されます。以下に資格取得に関する詳細を記載します。
項目 | 内容 |
国家資格または民間資格 | 国家資格 |
難易度 | 合格率約20% |
取得方法 | ①保育士養成の短大や大学を卒業し、所定の単位を取得する
②保育士試験に合格する |
取得までにかかる期間 | 学校で所定の単位を取得するのに2年、保育士試験の合格には約1年を要する |
保育士の平均年収 | 平均300万~340万前後が多い |
参考:https://success-job.jp/30s-women-shikaku/
まとめ
●30代の転職を成功させるには、転職理由の明確化や自己分析をしっかり行うことが重要です。
●30代の男女別転職の傾向では、女性の方が転職する確率が高いといえます。
●30代前半ではスキル、30代後半の転職ではマネジメント能力が重視されます。
●30代の未経験転職では、転職しやすい業界が主にサービス関連となり、転職しにくい業界が経営企画などの専門職になります。
●30代で転職に成功することは、客観的に自己分析を行い伝えることができる人で、失敗しやすい人は主に転職理由が曖昧な人が多いといえます。
●30代の転職で有利になる資格は、主に宅建、社労士、保育士になります。
ここまで30代の転職について、さまざまな角度から分析や解説、説明をしてきましたが、大事なことは自身がどのようなキャリアプランを描き、そのためにどんな行動をすればよいかを考えることです。
30代の転職に成功する人は、しっかりとした自己分析や業界研究、これまでのキャリアの具体的説明が必要と説明しましたが、転職に正解はありません。
大切なことは転職することがゴールではなく、転職先で活躍し前職よりも大きな満足や社会的貢献をした結果として、年収が増えるなどの主観的・客観的な成功することで、自身も満足することができるでしょう。
現代は5年・10年先の未来が見通しにくい難しいご時世ですが、自身のキャリア選択に妥協することなくブレずに成功を掴み取っていただくことを心より願っております。
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